春の庭先で、優雅に咲き誇る花々。

 ”色鮮やかな花”と”その香り”は、厳冬の終わりを表し、春の訪れを告げてくれます。

 また、澄み渡った空に活気よく咲く花々と、小鳥のさえずりが聞こえる庭先は、居るだけで心が晴れやかになります。

 そのような”春のエネルギー”を与えてくれる庭木は、私たちにとって非常に貴重な存在です。

 そのため、”春の花木”を庭に植えられている方も多いのではないでしょうか。

 本記事では、数多くある”庭木として人気のある春の花木”の中から「ジンチョウゲ・アセビ・ハナミズキ・ハナズオウ」を紹介しています。

 この4種類の花木は、庭木の他にも街路樹や公園樹としても多く植えられており、特に”ハナミズキ”は東京の街路樹の中で、実は最も多く植えられています。(東京都建設局)

引用:東京都建設局

 そのため本記事では、これら「ジンチョウゲ・アセビ・ハナミズキ・ハナズオウ」の見分け方についても紹介しております。

 ぜひ紹介する花木を見かけた際は、本記事を参考に”春の花木”を楽しんで頂けると幸いです。

庭木として人気のある”春の花木”はどれ!?ジンチョウゲ・アセビ・ハナミズキ・ハナズオウの見分け方を紹介!

 春先に、庭木や街路樹に印象的な香りを漂わせて、春の訪れを告げるのは”ジンチョウゲ”の花です。

 この良い香りは「ジンチョウゲ(沈丁花)」の名前の由来ともなっており、”沈香”と”丁子”のそれぞれの花名から引用されています。

「沈香」は代表的な香木として知られており、「丁子」はその香りから「百里香」という別名もあります

※サクラのにも”丁子桜”という品種があり、丁子の花の形が名前の由来になっています。(以下の記事参照)

 近年では、白花種のジンチョウゲが庭木や街路樹として多く植えられています。

 万葉集にも読まれている”アセビ”は、東北地方以南の日本各地の山地に自生しています。

 枝葉に有毒成分を含んでおり、馬が食べると酔ったようになることから”馬酔木”と書きます

 ”ハナミズキ”は、ちょうど桜の季節が終わった頃に一斉に咲き誇ります。

 アメリカ・ワシントンDCに送った”桜の返礼”として、1915年に日本に渡来してきました。(以下の記事参照)

 また、日本の山地に自生する”ヤマボウシ”の近縁種にあたります。

 近年は街路樹としても人気が高く、2019年の東京都内の”街路樹本数ランキング”では1位に輝いています。(東京都建設局)

 ”ハナズオウ”は、マメ科であるにも関わらず、単葉であるという珍しい品種です。

 例年4月頃に、鮮やかな紫紅色の花をつけた後に、ハート型の葉を伸ばす”非常に可愛らしい花木”になります。

 以上が、今回紹介する”春の花木”の大まかな紹介になります。

 どの花木にも魅力があり、人気のある庭木になります

 ここまでで”アセビ”の魅力をあまり紹介出来ていませんが、香りで言えば”ジンチョウゲ”歴史があるのは”ハナミズキ”。可愛らしい庭木と言えば”ハナズオウ”ではないでしょうか。

 そのため、ここから先は本記事で紹介する”特徴”や”見分け方”を参考に、街や森林で見かけた際に”好み”を判断して頂けると幸いです。

”ジンチョウゲ(沈下花)” -香りが良い花木-

 ”ジンチョウゲ(沈下花)”は、中国原産のジンチョウゲ科の常緑低木です。

 可愛い手まり状の花を咲かせ、春に上品な香りを漂わせています。

 このことから”ジンチョウゲ”は、一般に”4大香木”と呼ばれる”香りの良い花木”として数えられています。(以下参照)

  • 早春の”ジンチョウゲ (沈下花)”
  • 初夏の”クチナシ (梔子)”
  • 秋の”キンモクセイ (金木犀)”
  • 冬の”ロウバイ(蝋梅)”

 また、樹高は1m前後で手入れが容易であることから、庭木として人気があります

 花の色は、普通種は”内側が白色”で”外側が紅紫色”になります。

 そのため、蕾の時が最も”紅紫色”が目立ちます

 その他にも、園芸品種用の”シロバナジンチョウゲ”があり、この花木は”内側も外側も白色”になります。

 見分けるポイント

  • 葉は長さ5〜10cmで楕円形
  • 葉の手触りは”なめし皮質”で鋸歯はない
  • 開花時期は例年3月〜4月頃。
  • 香りの良い花が枝先に集まる。

”アセビ(馬酔木)” -日本庭園に用いられる花木-

 ”アセビ(馬酔木)”は、ツツジ科の常緑低木で、東北地方以南の山地に自生しています。

 別名は”アシビ”や”アセボ”と呼ばれています。

 樹高は1m〜3m程度であり、庭木としての手入れが容易です。

 また、早春に穂状に小さな白色の花を咲かせる様子は美しく、庭木として人気があります

 この歴史は古く、万葉集にも登場しているほどで、日本庭園によく”灯篭”や”庭石”の傍らに植えられています

 また、この人気から古くから品種改良が進められおり、園芸品種が数多くある点が”アセビの特徴”です。

 花がピンク色の「アケボノアセビ」や、新葉が赤色の「ヒマラヤアセビ」「リュウキュウアセビ」などの品種が挙げられます。

 自生しているものは、ほとんどが花が白色の”アセビ”ですが、稀に自生する”アケボノアセビ”を見つけることができます

 ”アセビ(馬酔木)”の葉や茎には、有毒成分”アセトポキシン”が含まれており、これを食べた馬がふらふらとした足取りになった様子が名前の由来となっています。

 また、この有毒成分により”鹿の食害”に合わないため、”アセビの名所”には”奈良公園”が挙げられています。(以下の記事参照)

 見分けるポイント

  • 葉の長さは50cm以内で楕円形
  • 葉にはやや光沢があり鈍い鋸歯がある。
  • 開花時期は例年3月〜4月頃。
  • スズラン(鈴蘭)”に似た壺型の花を枝先に多数つける。
  • 樹高は1m〜3m。

”ハナミズキ(花水木)” -東京で最も植えられている街路樹-

 ”ハナミズキ(花水木)”は、ミズキ科の落葉小高木です。

 別名は”アメリカヤマボウシ”やアメリカハナミズキ”と呼ばれています。

 ”アメリカヤマボウシ”という別名は、アメリカ・ワシントンDCに送った”桜の返礼”として、日本に渡来してきた背景と、日本の山地に自生する”ヤマボウシ”の近縁種であることから由来しています。

 アメリカから送られてきた”ハナミズキ”は計60本で、内訳は40本が白色の花の苗木、残りの20本はピンク色の花の苗木になります。

 これらの苗木は、日比谷公園小石川植物園に植えられました。

 しかし、第二次世界大戦中にほとんどが伐採され、原木は東京都立園芸高等学校に残るのみとなっています。

 また、伐採されたハナミズキの切り株の標本は、憲政記念館に現在でも展示されています。

 ハナミズキの特徴としては、花が4弁のように見えますが、実はこれは”苞(ほう)”に当たる”葉”になります。

 ”苞(ほう)”とは、蕾を包むように葉が変形した部分を指しています。

 そして、花の部分は中心に固まっている”花序”であり、4弁の直径5mm程度であまり目立ちません

 また、このように葉を鑑賞するため、鑑賞できる期間が非常に長いです。

 花の色は「ピンク・紅・白」と、数多くの品種があります。

 見分けるポイント

  • 十字形の4枚の花弁(実際は”苞”)
  • ミズキ”に似た平行な葉脈を持つ。
  • 開花時期は例年4月〜5月頃。
  • 秋に赤い実をつけます。

”ハナズオウ(花蘇芳)” -可愛らしい花木-

 ”ハナズオウ(花蘇芳)”は、マメ科の落葉低木です。

 マメ科であることから、秋になるとサヤ状の実が熟します。

 早春には、写真のように紫色の小花を咲かせます。

 この花の色が、古くから染料の植物として用いられている”スオウ”の心材から採れる色に似ていることから、”ハナズオウ”の名前が付けられました。

 そのため”ハナズオウ”からは染料は採らず、その可愛らしい花と葉から、主に”鑑賞用の庭木”として人気があります。

 見分けるポイント

  • 葉に先立って紫紅色の蝶形の花を枝先に多数つける。
  • 葉はハート型
  • 開花時期は例年4月頃。
  • 果実は長さ5cm〜7cm。

最後に -庭木として人気のある”春の花木”とは-

 庭木は植えることで、庭が華やかになるだけではなく、季節の移り変わりを知らせてくれます。

 この四季折々の姿を楽しむことこそが、庭木を育てる醍醐味なのではないでしょうか。

 本記事では、数多くある”庭木として人気のある春の花木”の中から「ジンチョウゲ・アセビ・ハナミズキ・ハナズオウ」を紹介しましたが、他にもたくさんの園芸品種があります

 本記事の一例が、ご参考になれば幸いです。 

 以上が「庭木として人気のある”春の花木”はどれ!?ジンチョウゲ・アセビ・ハナミズキ・ハナズオウの見分け方を紹介!」の解説になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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