ヒノキの木材は、心を癒す優しい香りや、白く清潔感のある木肌から、近年では日本のみならず、アジア圏で非常に人気があり、日本からの輸出も行われています。

 ヒノキは日本と台湾の一部にのみしか生息しておらず、台湾ヒノキの輸出規制により、日本産のヒノキは世界から求められる貴重な資源であると言えます。

 国産ヒノキは、木曽・吉野・紀州の「日本三大ヒノキ」が有名です。

 節のない吉野ヒノキは、淡いピンク色が好まれ、高級住宅の和室の柱などに使われています。

 また尾州ヒノキの大木から取る柾目は、板ものとして数百万円で取引され、寿司屋のカウンターなどに重宝されています。

 本記事では、このように様々な用途で用いられるヒノキ材の特徴と用途について紹介していきます。

知っておきたい建築材ヒノキ(桧)の特徴と用途を紹介!

 国産ヒノキは非常に優れた木材です。

 湿気に強く、品が良く、香りも良く、それでいて加工が容易です。

 また、ヒノキの木肌は艶やかで、きめ細かく美しいです。

 司馬遼太郎は、このヒノキの木肌を「乙女の肌ようである」と称しています。

 また、ヒノキの特徴である香りは、精油分から発散されており、虫や細菌を寄せ付けないという優れた特性を持ち合わせています。(以下の記事参照)

 この精油は化粧品や養毛剤に用いられ、この殺菌力からまな板や弁当箱にも用いられています。

 このヒノキの弁当箱を使うと、夏でも日持ちが良いとされています。

 また材質はしなやかで、曲がりに対する丈夫さも備えています。

ヒノキ(桧)はオールマイティーな建築材

 適材適所という言葉がありますが、建築材に最適な木材の一つに、ヒノキが挙げられます。

 昔から神社仏閣や城で使われてきた桧普請(ひのきぶしん)は、建築の理想であり、最高の建物を意味していました。

 桧普請とは、桧の木材を数多く使い、建造物を建てること言い表しています。

 そのため、栂普請や杉普請という言葉もあります。

 また「総桧造り」という言葉は、ヒノキをあらゆる部分に用いている建築を指し、土台や柱、梁、根太、大引などの構造や内装にヒノキは適しています。

 しかしながら、土台だけをとってみれば、栗の方がヒノキより堅く、腐りに強いです。

 また、白アリを寄せ付けない点では、ヒバが特に優れています。

 床材では「桧舞台」という言葉があるように、能舞台などにはヒノキ板が優れています。

 ただし、ヒノキは軟らかい木であるので、廊下など多くの人が踏む場所には、アカマツの方が適しています。

 また、洋間のフローリングでは、チークやカリン、タモ、ナラ、オーク等が適しています。

 このように、ヒノキは優れている点が多く、建築物の大部分に用いることができるオールマイティーな木材ですが、適材適所で、その他の木材も選択すると良いでしょう。

 以上が「知っておきたい建築材ヒノキ(桧)の特徴と用途を紹介!」になります。

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