二酸化炭素を吸収し、酸素を排出する”森林”。

 この働きは、適切な森林管理を行い”森林サイクル”を作る事により、効率的な二酸化炭素の吸収に繋がります。(以下の記事参照)

 こうした中、2015年12月に「パリ協定」が採択され、二酸化炭素排出の対策として「森林」が担う役割が期待されています。

「パリ協定」は”京都議定書”に次ぐ、国際的な地球温暖化防止策の新たな取り組みです。

 これから私たちは、どう森林と関わっていくべきか

 本記事では「パリ協定」の内容と、これからの森林が担う役割について紹介します。

地球温暖化対策「パリ協定」と「森林」が担う役割とは!?

引用:O-DAN(オーダン)

 まず、世界では現在、どれほどにまで気温が上昇しているのでしょうか。

 研究データによると、現在までの約130年間のあいだに、世界の気温は0.85℃上昇しているとされています。

 そして100年後には、さらに4℃上昇すると予測されています。(国立環境研究所)

 しかしこの予測は、このまま私たちが現在の生活を継続した場合を想定しています。

 もし私たちが今後、地球温暖化対策を行ったと仮定すると、気温上昇を1℃程度に抑えることが可能です。

 上のグラフが示すように、世界人口の増加や、発展途上国の経済成長を考えると、CO2の排出量の増加は避けられないのが現状です。

 しかし、今後の技術の進展により、CO2の排出量を限りなく”ゼロ”に出来る可能性もあります。

 たとえば、使用時にCO2を一切排出しないクリーンエネルギーとして”水素”が現在注目されています。

 この技術が確立すれば、大幅なCO2の削減に繋がり、2050年までの排出目標を達成できるとしています。

 2017年から、日本が取り組んでいる「水素基本計画」では、2030年頃までに”FCV(燃料電池自動車)”や”エネファーム(家庭用燃料電池)”などの普及を測りながら、「水素発電の商用化」と「国際水素サプライチェーン」を目指す取り組みがなされています。

 現在、日本は水素の技術に関して以下の3分野で世界の最先端を進んでおり、その他の化石燃料と価格競争できる商用ベースにまで技術革新できるかが焦点となっています。

水素サプライチェーン構想
液化水素化(-253℃)
  長所:高純度の水素が得られる。
  短所:液化の際に大量のエネルギーが必要。
有機ハイドライド化(常温で液体)
  長所:常温常圧で輸送・貯蔵できるため安全。
  短所:水素を取り出す際にエネルギーが必要。
アンモニア化(-33℃)
  長所:水素密度が高く、輸送効率が良い。
  短所:毒性が高く、安全性の確保が必要。

 このように日本では、2030年までにCO排出量を26%削減する必要があり、早急な地球温暖化対策が求められています。

CO削減へ「森林」が担う役割とは!?

引用:O-DAN(オーダン)

 パリ協定では、森林関連の協定5条において、以下の内容が取り決められました。

1. 森林等の吸収源及び貯蔵庫を保全し、強化する行動を実施。
2. 開発途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減等(REDD+)の実施及び支援を奨励。

 この内容を受け、2016年5月に「地球温暖化対策計画」が閣議決定され、全体の2.0%に相当する約2,780万トンを森林吸収量で確保することが明記されました。

 これを森林面積に換算すると、年平均52万ha (1ha:100mx100m)の間伐の実施が必要となり、愛知県の面積に相当する広大な範囲が管理対象になります。

 2016年度における間伐面積は44万haであることから、今後はさらなる効率化を行い、間伐エリアを広げる計画が求められています。

 また森林を間伐するだけではなく、その後の木材の利用システムも確立し「製品化」することで、排出されるはずであったCOが蓄積されたこととなり、排出量の削減分としてカウントして良いという算出方式が採用されています。

 この考え方により、地域材の利用が進み、伐採木材製品(HWP)を利用した新たなビジネスモデルの出現が期待されています。(以下の記事参照)

最後に -十分な森林吸収量を確保するために-

引用:O-DAN(オーダン)

 このように、2030年までに”林業”では、森林吸収量の目標達成に向けた継続的な実施が必要不可欠です。

 また、これまで以上に、森林整備の”効率化”や”大規模化”が求められます。(以下の記事参照)

 最近では、異常気象のニュースが連日取りだたされ、私たちの身の回りでも地球温暖化の影響を感じる今日この頃です。

 また「パリ協定」の採択により、森林の担うべき役割がはっきりとした現在でもあります。

 この地球問題の命題に、林業に従事して関わることが出来るのは”光栄”でもあり、”誇り”でもあります。

 これからもWoodyニュースでの取り組みを通して「希望の林業」となれるよう、情報を発信していきたいと考えています。

 今後とも皆様のご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。

 以上が「地球温暖化対策「パリ協定」と「森林」が担う役割とは!?」の解説になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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 またこの記事を読んで、少しでも森林や林業について関心を持って頂けると幸いです。

※アイキャッチ画像引用:O-DAN(オーダン)