”熱帯雨林”は一年を通じて、月の平均気温が30℃前後であり、まったく季節の変化が見られない森林です。

 最低気温がマイナス60℃、年平均気温がマイナス10℃以下である”冷帯林(タイガ)”と比較すると、同じ森林であってもその樹木の生育環境には大きな違いがあります

 また、光合成によって二酸化炭素を吸収する樹木でありますが、これほどにまで生育環境が異なると、二酸化炭素の吸収量もまったく異なってきます

 本記事では、”熱帯雨林とタイガの違い”、”二酸化炭素の吸収に適した森林”について紹介していきます。

 最後まで、お付き合い頂けますと幸いです。

”熱帯雨林” -生存競争が激しい成長に適した環境-

引用:O-DAN(オーダン)

 ”熱帯雨林”は、赤道付近の東南アジアや中部アフリカ、中南米などの地域で見られる森林です。

 年間降水量が2000mm以上の森林を指し、樹種が多く密林で樹高が高いため、下草が少ないのが特徴です。

 ここで生存競争に勝った樹木にとっては、十分な”日光”と”気温”、”降水量”によって一年を通じて成長できる適した環境となります。

 このため、成長速度の違いによって形成される”年輪”が見られない点も特徴の一つです。(以下の記事参照)

 また、乾季がないため”果実”をつける機会が少なく、林内が暗く下草が少ないため、他の森林にはない変わった生態系を形成しています。

 これにより熱帯雨林は、植物が生い茂る森林ではあるものの、動物にとっては意外にも食料調達が困難となり、進化の過程で”草食”から”雑食”へ進化したものもいれば、乾季がある森林へ移動したものもいます。

 このように熱帯雨林は、過酷な生存競争の中で多様な進化を遂げることで生き残った動植物によって成り立っています。

熱帯雨林
・さまざまな樹種の常緑広葉樹が生い茂る。
・樹冠が60mに達する巨木もあり、その下層に20〜40m前後の高木が、さらにその下層に 10m前後の木々が生い茂る。
・高木の下層には、ツル植物や樹木に根をつける着生植物が見られる。
下草は少ない
・樹種が多種多様であることや交通条件が悪いなど、林業には不利な条件である。

“タイガ” -過酷な環境に生きる針葉樹林-

引用:O-DAN(オーダン)

 一方で、寒さの影響で3月〜4月でしか緑色の葉が見れないタイガは、熱帯雨林と比べその生育環境がまったく異なってきます。

 しかしながら、シベリアのタイガだけでも世界森林面積の約20%を占めており、光合成による二酸化炭素の削減に大きく貢献しています。

 ”モミ”や”マツ”、”トウヒ”といった常緑針葉樹や,”カラマツ(落葉針葉樹)”がタイガを形成しており、ロシア語で「針葉樹林」を意味することからも、北半球の大陸北部の冷帯(亜寒帯)地域に分布しています。(以下の記事参照)

 また、タイガが分布する”カナダ太平洋岸”や”フィンランド”、”スウェーデン”は林業が盛んな地域です。

 これは過酷な環境により、生息できる樹種が限られるため、同じ樹種からなる純林を形成しやすく、”選別”や”伐採”が容易であることに起因しています。

 このように、さまざまな樹種で混みいっている熱帯雨林と比べ、タイガは林業に適した森林であると言えます。

 一方でシベリア北部の、より極寒の地域に生息する”カラマツ”は、直径10cm程度の幹になるまでには約200年かかるとされ、一度伐採してしまうと植林による次回以降の収穫が望みにくい地域です。(以下の記事参照)

 このように成長が遅い理由として、以下の点が挙げられています。(地球環境研究センターニュース 9(8)掲載)

・葉が寒さに傷められることなく、光合成ができる期間が短い。
・地面が溶け、水を吸収できる期間が短い。
・夏の気温が、光合成の適温よりも低い。
・土壌の温度が低いので、根が栄養を吸収する活性が低くなる。
・土壌の温度が低いので、土壌中の有機物の分解が進まず、栄養塩類が供給されない。

 そのため、光合成の効率も悪いです。

 しかしながら、成長が遅いため”年輪”はビッシリと均一に詰まっており、節が少なく見た目にも綺麗な材木が取れやすいため、化粧板として人気があります。

タイガ
同じ樹種からなる純林を形成しやすく,”選別”や”伐採”が容易である。
・パルプや建築材としての利用価値が高い
・林業が発達し、世界でも重要な林業地域である。

最後に -二酸化炭素の吸収に適した森林とは!?-

引用:O-DAN(オーダン)

 樹木は、太陽光を使用して行う光合成により二酸化炭素を”吸収”する一方で、呼吸により二酸化炭素を”排出“します。

 この”吸収”と”排出”のが、樹木の成長量となり、炭素(C)成分として樹木内に蓄えられています。(以下の記事参照)

 そのため成長の盛んな若年層の樹木が、二酸化炭素の吸収量がもっとも多いというのが通説です。

 しかしながら、光合成を行うのは昼間だけで、呼吸は”昼”も”夜”も休まず行われています

 この呼吸量は気温によって決まり「熱帯の夜はその地域の二酸化炭素の収支を支配している」と言われています。

 近年の研究により、熱帯地域での樹木の呼吸量は、光合成による二酸化炭素の吸収量の約80%を占めることが明らかとなりました。

 一方で、タイガのカラマツ林の”呼吸量の割合”は、光合成量の20〜25%であるとされており、やはり気温により呼吸量が決まってくるのでしょう。

 そのため”タイガ”は、光合成量の絶対値は少ないものの、二酸化炭素の収支効率が最も良い森林となります。

 このように、成長までに時間のかかるタイガですが、細々と”エコに生きている森林”であると言えるでしょう。

 一方で熱帯雨林は、その生存競争の過酷さゆえ、二酸化炭素をどんどん吸収・排出して成長する”生命力の溢れた森林”であると言えます。

 以上が「”熱帯雨林”と”タイガ”の違いを紹介!二酸化炭素の吸収に適した森林とは!?」になります。

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※アイキャッチ画像引用:O-DAN(オーダン)