牛がゲップすると、地球温暖化が進むことはご存知でしょうか。

 現在、地球上には約15億頭の牛がいます。

 そのほとんどが”肉牛”や”乳牛”として飼育・生産され、私たちの食卓に並んでいます。

 このように牛は、私たちの食生活にはなくてはならない存在であり、世界人口が77億人(2019年)であることを考えると、その牛の数にも納得です。

 しかし現在、その牛のゲップが地球温暖化を促進するとして注目を浴びています。

 牛は”草食動物”であり、胃の中のバクテリアによって分解した際に排出される”メタンガス”がその原因です。

 メタンは、二酸化炭素よりも熱を吸収する効率が28倍と高く、わずかな増加でも地球温暖化を引き起こします。

 本記事では、そのような”牛のゲップ”と”地球温暖化”の関係について紹介していきます。

 最後まで、お付き合い頂けますと幸いです。

”牛のゲップ”と”地球温暖化”の関係を紹介!

引用:O-DAN(オーダン)

 現在、地球温暖化の原因として”温室効果ガス”が挙げられています。

 温室効果ガスは、地表から出ていく”赤外線”を吸収し、地球を温める効果があります。

 反対に、この温室効果がないと地球の平均気温は”マイナス19℃”となるとされ、適度な温室効果は必要です。

 しかしながら、過剰な温室効果ガスは地球の気温を上げるだけでなく、”異常気象”や”生態系の変化”を引き起こします。

 この温室効果ガスの内訳は、”二酸化炭素(CO2)”や”メタン(CH4)”、”一酸化二窒素(N2O)”や”フロン類”です。(下図参照)

引用:温室効果ガスインベントリオフィス

 上の図は”CO2換算ベース”であり、実際の”メタンガス”の排出量はさらに少ないです。

 しかしながら、二酸化炭素よりも熱を吸収する効率が28倍と高いため、相対的なメタンの割合は16%と計算されます。

 そして、この”メタンガス”の増加の一因として”牛のゲップ”が挙げられています。

 メタンガス排出量の”3分の2”は、”石油業”や”採鉱業”などのさまざまな産業プロセスからの排出によるものです。

 そのため、これらのほとんどが私たち人間の社会活動が主な原因となっています。(下図参照)

引用:UNFCCC Green house gas Inventory Data 2015

 この中でも大きな割合を占めているのが、意外にも”畜産業”であり、最大の24%を占めるのが”消化管内発酵”由来によるものです

 その中でも、豚などの”非反芻家畜”からのメタンガスの発生は少なく、その約80%は牛やその他の”反芻動物”の飼育によるものとなっています。

 これは、牛のゲップの中には”メタンガス”が多く含まれているためです。

なぜ反芻動物の”からだ”は大きいのか!?

引用:O-DAN(オーダン)

 牛の体は主に、””と”タンパク質”でできています。

 しかしながら、牛は”草食動物”です。

 そのため、このタンパク質を調達するための”バクテリア”を胃の中で飼っています。

 牛は4つの胃のうち2つの胃の中で、バクテリアが数多く生息しています。

 もっとも大きな第1胃(ルーメン)には、1g当たり250億個のバクテリアが存在し、これが植物性の繊維を”発酵分解”しているのです。

 つまり、牛が食べた”草”がバクテリアのための栄養源と言えます。

 そして、バクテリアの”タンパク質成分”は、胃の中で”アミノ酸”へと分解され、これが牛の栄養源となっています。

 このように、飼っているバクテリアを栄養源とする草食動物は”反芻動物“と呼ばれ、牛の他にも”ヤギ”や”ヒツジ”、”キリン”などが代表例です。

 草を食料とする”反芻動物”のからだが大きい理由は、このバクテリアが関係しているのです。

牛から”メタンガス”はどのように作られているのか!?

引用:O-DAN(オーダン)

 牛1頭が”ゲップ”や”オナラ”をして排出するメタンガスの量は、1日当たり160〜320ℓとされています。

 それでは、どのようにしてこの”メタンガス”は作られているのでしょうか。

 これには、先ほどの植物性繊維の”発酵分解の働き”が関係しています。

 発酵分解の際に、その副産物として”水素”が発生します。

 そして、第1胃に常在する「メタン細菌」と呼ばれるバクテリアが、この水素をメタンに変換しているのです。

最後に -森林が”メタンガス”を吸収する!?-

引用:O-DAN(オーダン)

 現在、メタンガスは温室効果ガスのうち16%を占めています。(CO2換算ベース)

 近年の研究により、森林は”CO2”と同様に、”メタンガス”を吸収していることがわかってきました。

 森林の土壌中に住む「メタン酸化菌」と呼ばれる微生物が、”メタンガス”を分解しているのです。

 この微生物は大きくても、数マイクロメートルと小さいのですが、その働きは意外にも牛と勝負できるほどであります。

 また、森の土はなぜか、”草原”や”畑”の土よりもメタンガスを効率よく吸収しているとされています。

 しかしながらその原因は、いまだ明らかとなっていません。

 森の土は”ふかふか”しており、酸素を多く含むため、この「メタン酸化菌」が活躍しやすい条件が整っているのかもしれません。

 このように森林は、メタンガスの削減においても注目されています。

 以上が「”牛のゲップ”と”地球温暖化”の関係を紹介!森林が”メタンガス”を吸収する!?」になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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※アイキャッチ画像引用:O-DAN(オーダン)