”パーティクルボード“と聞くと、具体的にイメージが出来ない人もいるかもしれません。

 しかしながら、私たちの生活に欠かせない優れもの。それが、”パーティクルボード”です!

 近年、そんな縁の下の力持ちだったパーティクルボードが、脚光を浴びつつあるのです。

 さらに、実は地球環境にも優しい、、?

 今回は、そんなパーティクルボードについてシェアしていきたいと思います!

“パーティクルボード”って??

 20世紀初頭に、欧米諸国で”木質ボード”の産業生産が開始されました

 ”木質ボード”とはすごく簡単に言うと、木材利用の中で発生する木片などを、”繊維化”や”小片化”して接着剤と混ぜ合わせて熱圧着したものが、木質ボードです。

 さらに、木質ボードはその中で、”繊維板“と”パーティクルボード“の2種に大別できます。

 両者の一番の違いは、その字の通り、木片を繊維の小ささまで細かくしたかparticle(小片)までの細かさにしたか、の”違い”です。

 そして、このパーティクルボードは、私たちの身の回りのいたるところに使われています!

 一番わかりやすいのは、自分で組み立てるタイプの”本棚”や”カラーラック”です。

 これらはパーティクルボードに、”シート”や”突板”を接着した板で出来ています!(以下の記事参照)

 その証拠に、組み立てる時に木の粉がボロボロとこぼれ落ちてきたことはありませんか?

 このことからも、パーティクルボードの原材料が”木片”であることがよくわかります。

 他にも、スピーカーボックスやキッチン回りのキャビネット、また、フローリングの床下材、としても使われています!

 このように、”無垢材”や”集成材”は高価なため、安価に製造できるパーティクルボードの表面に、”シート”や”突板”で加工した製品が身の回りにはたくさんあるのです。(以下の記事参照)

リサイクルを40年も先取り?

 ところで、なぜ、わざわざ”接着剤”と混ぜ合わせたり、”熱”と”圧力”を加えたりしてまでパーティクルボードを製造する必要があったのでしょうか?

 当然、ひとつは、無垢材や集成材、合板といった”高価格帯なボード”に取って代わるため、また、それらの製品が”手に入りにくい地域”でボードを供給するためです。

 しかしながら、より注目される点があります。それが”資源の有効利用”です。

 日本では、戦後の資源不足の中で、”木材資源の高度有効利用”を目的として、木質ボード産業が注目されました。

 また、”未利用材の活用”にも一躍買うということで、木質ボード生産の積極的な産業化が行われました。

 たとえば、”挽板”を製造するときには””が出ます。

 東南アジアでは、製材工場の”横”に、この端材を有効利用するためのパーティクルボード工場が建設されることもあるみたいです。

 この点がまさに、”リサイクルの先駆け”と呼ばれる所以でしょう。

 さらに木材加工には、多くの”歩留まり”が発生します。

 その歩留まりを何とか有効活用できないか、と考え、結果発明されたのが、この”木質ボード”なのです!

 また、いわゆる「リサイクル法」が1991年に施行されたことを考えると、40年近く先取りで資源のリサイクルに取り組んでいたことがわかります。

 そして現在でも、日本の木質ボードメーカーではその原材料の大部分を、”解体材”や”林地残材”が占めており、木質資源の有効利用に貢献しているのです。

パーティクルボードが変わる!?

 しかしながら、この”安価”で”エコ”な製品が、今までと少し違う形で注目され始めています。

 パーティクルボードは、”JIS 5908”に規定されているのですが、この規格が2015年に改正された際、“構造用パーティクルボード”という規格が”追加”されたのです!

 ”JIS”とは、製品の種類・寸法や品質・性能、安全性などを定めた国家規格であります。

 つまり、JISの規格を満たしている製品は、たとえば”強度”などの安全性が担保されているということになります。

 ところが、木片が原料の”パーティクルボード”の強度は、それほど高くはありません

 この短所が、長らく”パーティクルボード”の建材としての利用を拒んでいた要因でありました。

 ですが、近年の技術の進歩でパーティクルボードも一定の強度が得られるようになり、構造用としての利用が可能となったのです!

 またこの進歩により、イメージとしては”耐力壁”としての使用が許可されたのですが、”壁としての利用”と”近年の内装の木質化”の流行があいまって、現在ではパーティクルボードもデザイン性のある内装材として活躍しています。

 特に、パーティクルボードの一種である“配向性ストランドボード”(=通称:OSB)と言われるタイプのものが人気があり、”ゲストハウス”や”レストランの内装”として活用しているようです。

 また、安価なことから手軽に手に入る”おしゃれなDIY材”として、ホームセンターやネット通販でも販売されており、今までと違い、表舞台での活躍の機会が増えています。

最後に -パーティクルボードの今後-

 日本では戦後から、木材を有効利用するために、生産が行われてきた”パーティクルボード”。

 今までは裏方として、私たちの生活を支えてくれていましたが、最近では”おしゃれな内装材”や”小物の材料”としても注目されています。

 世界の木質チップを取り巻く環境が、目まぐるしく変わる今日ですが、最後の木片まで有効活用できるパーティクルボードには、今後も活躍の場を広げていってもらいたいものです。

 以上が「木材リサイクルの先駆け!?イマドキのパーティクルボードの利活用シーン!」になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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