「林」と「森」との間には、どのような違いがあるのでしょうか。

 漢字の形で見ても、木が多くあるのが「森」というイメージがあります。

 辞書を参考にしてみます。

「林」
1. 樹木がたくさん群がって生えている所。
2. 森に比べて、木々の密度の度合いが小さく、小規模の群落を指す場合が多い。

「森」
1. 樹木が多く、こんもりと生い茂っている所。
2. 特に、神社をかこむ木立。

 しかしながら、これだけでは「林」と「森」の呼び名が変わる、その境界が分かりにくいと言えます。

 また別の観点として、人の手が加わっているかどうかという見方があります。(農林水産省の定義)

人の手が加わっている →「林」
人の手が加わっていない →「森」

 つまり、管理されているスギやヒノキの人工林が「林」で、白神山地に代表されるブナやミズナラのような天然林が「森」という見方です。

 かつて里山で管理されていた「雑木林」や、人の手が加わっていない「鎮守の森」も、この定義に当てはまります。

 しかしながら、「原始林」や「ブナの原生林」という言葉があるように、必ずしもその意味に当てはまらないものもあります。

 本記事では、このように漢字のカタチで区別する方法について紹介していきます。

「林」- 年代・高さ・太さがほぼ同じ

 まずは、「林」についてまとめていきます。

「林」は、漢字の形からわかりますように、同じ”木の漢字が2つ並んでいます

 このことからも、”同じような木が群がっている場所”と考えることができます。

 そのため「林」は、

同じ”年代”の木であり、そのため”木の高さ”や”太さ”がほぼ同じである。

 と覚えることができます。

 つまり、伐採後に”萌芽更新”によってできたクヌギやコナラ等の「雑木林」や、植林によってできたスギやヒノキの「人工林」もこれに当てはまります。

「森」- 低い木の上に大きな木がある

 次に、「森」についてまとめていきます。

「森」は漢字の形からも、2つの木の上に「大きな木」があると見ることができます。

 このことからも、”さまざまな年代の木が生い茂っている場所”であり、

低い木の上に、大きな木が立っている場所

 と覚えることができます。

 つまり、「森」は”年代・樹高・太さ”もバラバラで、木の上に木が生い茂っているイメージです。

 このように、漢字のカタチから考えることで、「林」と「森」を区別することができます。 

最後に -「森林」という漢字について

 最後に、これらの漢字が合わさった「森林」という漢字について、

 実際の「森林」では、”土砂災害”や”風倒木”などの被害が起こり得ます。

 そして、これらの場所から木が更新し、同世代の木々が成長することで「林」となります。

 そのため、「森」の中には部分的に「林」が存在し、これらをまとめて「森林」と呼んでいると考えることができます。

 しかしながら、ジャングルの「密林」やアマゾンの「熱帯雨林」など、本記事で紹介した定義から外れるものもありますので、ご注意ください。

 以上が「漢字のカタチで理解する「林」と「森」の違いとは!?」の説明になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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