木材の色は黄赤系の暖色で「あたたかい」印象を与えてくれています。

 とても心休まる色です。

 家の内装に木材が利用された場合、黄色い木材ほど部屋は明るく、赤みの強い木材ほど暗く落ち着いた印象になります。

 私たちが木材の色を黄赤系に認識しているのは、黄色や赤色の長波長の色が反射して目に届くためです。

 反対に、目に有害とされる紫外線などの短波長の青色の光は、木材に吸収されます。

 植物が緑色に見える理由については「植物はなぜ「緑色」なのか!? 植物の光合成と進化の歴史」で紹介しています。

 このように木材は「暖かく・落ち着いた・安心できる」空間を私たちに提供してくれています。

 本記事では、そんな木材の利用の歴史についてご紹介します。

木材利用の歴史

引用:三内丸山遺跡

 日本で木材の高度な利用が始まったのは、今から約5000年前の縄文時代前期です。

 それまでは焚き火をしたり、杭や板やなどの利用でしかありませんでした。

 この時代に建てられた青森県・三内丸山遺跡から、すでにクリを栽培し利用していたことがわかります。

 このクリの巨大な柱は腐らないよう、火で焼いて炭化処理する工夫がなされています。

 また、柱の他にも、杭や板、薪炭などにも多数のクリが使われていた跡が三内丸山遺跡には残っています。

 クリについては「秋の味覚 ”クリ”の紅葉の魅力と歴史を紹介!」で紹介しています。

 この地域では、人々の居住が始まるまではナラやブナの落葉広葉樹林が広がっていたとされています。

 人々の生活が高度になるにつれ、食料源としてもクリの木が維持管理され、三内丸山遺跡では取り囲むようにクリの木が立っています。

 このように、木材利用だけではなく、森林を維持管理する方法も縄文時代の人々は心得ていたのでしょう。

 ナラやブナの広葉樹については「[まとめ] 押さえておきたい樹木の名前と種類の覚え方を紹介 (広葉樹編)」で紹介しています。

 人々によって管理されていた雑木林については「雑木林とは?需要が高まっている雑木林の歴史と今後」で紹介しています。

縄文時代の木製製品

 また、この時代ではすでに樹木の性質を理解し、様々な木製製品が作られていたとされています。

 例えば、福井県・鳥浜貝塚からは石斧柄、弓や容器が出土しており、縄文時代には木材製品を作っていたことがわかっています。

 縄文時代では、石斧柄は木を切り倒す用途としてツバキなどの堅い木が、狩りに使う弓にはカシが使われていました。

 容器では白木のものにはトチノキやクリが、漆塗りのものにはトチノキやケヤキが用いられています。

 このように、縄文時代の人々は用途に適した樹種を選んで利用していたのですね。

 トチノキについては「ドングリに負けていない!トチノキの魅力と歴史を紹介!栃餅や栃麺の活用法と銀座マロニエ通りとの関係」で紹介しています。

 ケヤキについては「ケヤキは木によってなぜ紅葉の色が違うのか。良いケヤキの見極め方を紹介!」で解説しています。

燃料として木材利用

引用:O-DAN(オーダン)

 現代でもバイオマス発電の燃料として、木材が使われています。

 この際に大気に放出される二酸化炭素は、もともと光合成によって木が取り込んだ二酸化炭素を排出しているため、全体としては二酸化炭素は増加なしと考えてよいとされています。

 また「パリ協定」では、大気中に放出はずだった二酸化炭素を伐採木材製品(HWP)にプール(含蓄)しているという考え方が導入されました。

 そして、その分の二酸化炭素は二酸化炭素吸収量として計上されます。

 今から約1500年前の出雲地方の伝統的な「たたら製鉄」でも燃料として木材が使われていました。

 その木材量は20年間で森林約800ha分と言われてます。

 たたら製鉄と葵祭りの関係については「桂並木の紅葉名所5選!京都葵祭りに代表されるカツラ紅葉の歴史と魅力を紹介!」で紹介しています。

 また瀬戸内地方・塩作りでは、天日干し後の最後の乾燥をする際、燃料として木材が利用されていました。

 また。この利用目的で所有していた山は「塩山」と呼ばれていたそうです。

 奈良時代に東大寺が約550haの塩山を所有していたという記録が残っています。

 このように、木材は産業でも重要なエネルギー源として利用されていました。

最後に -現代の木材利用-

引用:O-DAN(オーダン)

 現代では、木材に代わるプラスチック製品が数多くあります。

 日本ではリサイクル法により、プラスチックの分別が義務付けられています。

 国連が発表したプラスチックのリサイクル率は84%と日本は世界トップクラスです。

 しかし、実態としてその内の70%が、廃棄物発電の燃料として燃やされています。

 その一方で木材は、「パリ協定」の制定により、伐採木材製品(HWP)に現在注目が集まっています。

 木材を加工して製品にする際に使われるエネルギーは、プラスチックを始めとして、鉄やアルミニウムなどの製造よりも、非常に少くなくて済むという利点があります。

 また、捨てられた木材製品はバイオマス発電の燃料にもなります。

 木材製品の利用は古来からなされてきた方法ですが、現代でも環境対策の有効な手段として取り上げられています。

 現代ではこの他にも、太陽光発電や風力、水力発電など、様々な現代技術を取り入れた方法で地球温暖化対策が進められています。

 また、電気自動車やLNGを用いた環境に対してクリーンな生活が推奨されています。

 しかしその中でも、木材を利用し生活する方法は、縄文時代も現代もそしてこれからも続いていくでしょう。

 以上が「木材利用の歴史-縄文時代から現代-」の紹介になります。最後まで読んで頂きありがとうございます。

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※アイキャッチ画像引用:O-DAN(オーダン)